Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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うし

鎧櫃の血

岡本 綺堂

Lesen Sie 鎧櫃の血 (うし) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 48.702 Zeichen · 99 Bildschirme

Aozora Bunko

この前に一本足をみせたらば、今度は一つ目小僧を見せるというように、それからそれへと変った物を出さなければならない。そうなると、いくらインチキにしても種が尽きて来る。その出し物の選択には、彼らもなかなか頭を痛めるのだ。殊に両国は西と東に分れていて、双方に同じような観世物や、軽業、浄瑠璃、芝居、講釈のたぐいが小屋を列べているのだから、おたがいに競争が激しい。

今日の浅草公園へ行ってみても判ることだが、同じような映画館がたくさんに列んでいても、そのなかに入りと不入りがある。両国の観世物小屋にもやはり入りと不入りはまぬかれないので、何か新しい種をさがし出そうと考えている。そこで、かの友蔵と幸吉も絶えず新しいものに眼をつけていると、嘉永四年四月十一日の朝、荏原郡大井村、すなわち今の品川区鮫洲の海岸に一匹の鯨が流れ着いた。」

「大きい鯨ですか。」

「今度のは児鯨で余り大きくない。五十二年前の寛政十年五月朔日に、やはり品川沖に大きい鯨があらわれた。これは生きて泳いでいたのを、土地の漁師らが大騒ぎをして捕えたということだが、その長さは九間一尺もあったそうだ。今度は鯨は死んでいて、長さは三間余りであったというから、寛政の鯨よりも遙かに小さい。