Japanische Klassiker mit Furigana
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うし
鎧櫃の血
岡本 綺堂
Lesen Sie 鎧櫃の血 (うし) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 48.702 Zeichen · 99 Bildschirme
鶏が飛び込んだのは偶然であろうが、今の治三郎には何かの因縁があるように考えられた。彼は又もやお七の夢を思い出した。
「お話はこれぎりです。」と、治三郎老人は言った。「その場を運よく逃れたので、今日までこうして無事に生きているわけです。雁鍋でお七の夢をみたのは、その日の午前に円乗寺へ墓まいりに行ったせいでしょう。前にもいう通り、なぜ其の時にお七の墓を見る気になったのか、それは自分にも判りません。又その夢が〈一話一言〉の通りであったのも、不思議といえば不思議です。私はそれまで確かに〈一話一言〉なぞを読んだことはなかったのです。箕輪の百姓家に隠れている時に、どうして二度目の夢をみたのか、それも判りません。まさかにお七の魂が鶏に宿って、わたしを救ってくれたわけでもありますまいが、なんだか因縁があるように思われないでも無いので、その後も時々にお七の墓まいりに行きます。夢は二度ぎりで、その後に一度も見たことはありません。」
昭和九年十月作「サンデー毎日」