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Japanische Klassiker mit Furigana

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に、さんば――じゅうに、さんば

鏡花短篇集

泉 鏡花

Lesen Sie 鏡花短篇集 (に、さんば――じゅうに、さんば) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 33.305 Zeichen · 66 Bildschirme

Aozora Bunko

採って前髪に押頂いた時、私の頭を撫でながら、余の嬉しさ、娘ははらはらと落涙して、もう死ぬまで、この心を忘れてはなりませんと、私の頭に挿させようとしましたけれども、髪は結んでないのですから、そこで娘が、自分の黒髪に挿しました。人の簪の花になっても、月影に色は真紅だったです。

母様の御大病、一刻も早くと、直に、美女ヶ原を後にしました

引返す時は、苦もなく、すらすらと下りられて、早や暁の鶏の声。

嬉しや人里も近いと思う、月が落ちて明方の闇を、向うから、洶々と四、五人連、松明を挙げて近寄った。人可懐くいそいそ寄ると、いずれも屈竟な荒漢で。

中に一人、見た事のある顔と、思い出した。黒婆が家に馬を繋いだ馬士で、その馬士、二人の姿を見ると、遁がすなと突然、私を小脇に引抱える、残った奴が三人四人で、ええ! という娘を手取足取。

何処をどう、どの方角をどのくらい駈けたかまるで夢中です。

やがて気が付くと、娘と二人で、大な座敷の片隅に、馬士交り七、八人に取巻かれて坐っていました。

何百年か解らない古襖の正面、板の間のような床を背負って、大胡坐で控えたのは、何と、鳴子の渡を仁王立で越した抜群なその親仁で。