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Japanische Klassiker mit Furigana

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ながやてんいちぼう

長屋天一坊

山本 周五郎

Lesen Sie 長屋天一坊 (ながやてんいちぼう) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 29.453 Zeichen · 57 Bildschirme

Aozora Bunko

、てんで下情てえものに通じていらっしゃらねえんで、……なんだ金太、おめえ笑ってるばあいじゃあねえだろう」

「む、むせ、咽せちゃったんだよ、うん、咽せてね、なにしろ、お気の毒なもんだから」

「そういうわけでまあ金太とも相談したところ、よしんばどんな深いわけがあるにしろ、こんな御身分の高いらしい方を、……おめえまた咽せるのか金太、……でまあ御身分の高い方をうろうろおさせ申しとくのは恐れ多い、なにはともあれ家へお供をしてということでね、それで実はお伴れ申したというわけなんですが」

「それはそれは、稼業に似合わず、よくそんなところへ気がついた、それでと」吾助はここで初めてその若者のほうへ向き直った、「そこでひとつ、儂はこの長屋の家主で吾助という者ですが、……お初におめにかかります」

「ああそうだろう、一文呉れるか」

「ちょちょ、えへん」

銀太はすばやく若者の尻をつねった。

「どうもね大家さん、このお方はときどき妙な冗談を仰しゃるんで」

「いやおまえは黙っていなさい、総じて高貴のお生れの方は、お言葉が雅びているからして、おまえたちにはその意がげせぬものだ、黙っていなさい、……ええ恐れながら私めは、唯今こそ零落して繩屋渡世などいたしておりまするが、祖先はかの佐野の庄の住人、源左衛門常世にございましてな」