Japanische Klassiker mit Furigana
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まぶたのはは
長谷川伸傑作選 瞼の母
長谷川 伸
Lesen Sie 長谷川伸傑作選 瞼の母 (まぶたのはは) von 長谷川 伸 (はせがわしん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 94.753 Zeichen · 192 Bildschirme
人情なし。鬼、畜生。
三蔵 (力竭きて上り框に手をかけて伏す)
時次郎 野郎共。(猛然と三人に立ち向う。瞬くうちに三人とも切り立てられ、土間へ逃げる)
三蔵 (急に奮い起ち、磯目の鎌を斬り倒し、ぐったりうずくまる。大野木の百、苫屋の半は戸外へ逃げる)
時次郎 (入口に立ち)おかみさん。怪我はござんせんか。
おきぬ ええ。(太郎吉を抱き緊める)
時次郎 子供も怪我はござんせんでしたかい。
太郎吉 わッ。(泣く)
おきぬ ええ。(太郎吉を更に抱き緊める)
時次郎 それはようござんした。(三蔵を見て)いけねえ。とても、手は届くめえ。おかみさん、お困りでござんしょう。お察し申します。――だが、この渡世を知って夫婦になったんでござんしょうから冗なお追従は抜きにしておきます。ご免なすっておくんなさいまし。(入口から出て行く)
おきぬ (三蔵の傍へ駆け寄り抱き起す)お前さん。傷は浅いよ。しっかりしておくれ。
太郎吉 ちゃん、ちゃんやあ。あああ。(泣く)
おきぬ 死んじゃ困るよ。お前さんが死んだ後であたしたち母子はどうするのさ。え、しっかりしておくれ、よ、よ。
三蔵 おきぬ、水、――水だ。