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Japanische Klassiker mit Furigana

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まぶたのはは

長谷川伸傑作選 瞼の母

長谷川 伸

Lesen Sie 長谷川伸傑作選 瞼の母 (まぶたのはは) von 長谷川 伸 (はせがわしん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 94.753 Zeichen · 192 Bildschirme

Aozora Bunko

あたしの推量では、もう子供のことなんか忘れてしまい、思い出しもしないだろうねえ。

忠太郎 (確信を持って)女親というものは、そういうものじゃねえ。

おとら 昔は随分仲好しで、世話になったり世話したり、姉妹同然にしていたんだが、この何年というものは、途中で会えば顔をそむけ、よんど困って尋ねてくれば、今のように叩き出させる。人間という奴は月日が経っては駄目なものさ。

忠太郎 それはそうだか知らねえが、母子はまた別なもの、たとい何十年経ったとて生みの親だあ、子じゃあねえか、体中に一杯ある血は、双方ともにおんなじなんだ。そんなことがあるものか。

おとら それじゃ一ツ、行ってみるがいいかも知れない。

忠太郎 え? まさか。ただ江州と聞いただけでは、いくら何でも、行けるものかな。

おとら それも左様だ。あたしも倅が恋しくなった。久しい間無沙汰をしてる、今から行って参ってこよう。

忠太郎 お墓参りか。待ちな。お線香とお華をこれで(金を握らせる)遠慮なく取ってくれろ。

おとら こ、こりゃあ小判だ。

忠太郎 一両出したとて怪しむな、俺あ盗ッ人じゃねえ、見る通りのヤクザなんだ。汗をかいて稼いだ金じゃなし、多寡が出たとこ勝負、賭博場の賽の目次第で転げ込んだ泡沫銭だ。