Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
まぶたのはは
長谷川伸傑作選 瞼の母
長谷川 伸
Lesen Sie 長谷川伸傑作選 瞼の母 (まぶたのはは) von 長谷川 伸 (はせがわしん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 94.753 Zeichen · 192 Bildschirme
半次郎 (母屋から、用心して顔を出す)おぬい――おぬい。
おぬい お、兄さん、出ちゃいけないよ。
半次郎 今の声はだれだ。この辺の人らしくなかったが、――その手紙は俺にきたのか。
おぬい 見たことのない男がきて、これを抛り出して行ったのだよ。
半次郎 三十過ぎた小粋な男か。そんならゆうべ話をした兄弟分の番場の哥児だ。どれ、それを見せてくれ。
おぬい そんな人ではなかったよ。二人連れの厭な奴なの。(手紙を渡す)
半次郎 (左り封じの手紙なので、はッとなる)
おぬい どうしたの兄さん。
半次郎 何。なんでもねえ。(手紙を披かずにいる)
おぬい ホホホ。兄さんは字が読めなかったねえ。それでそんな顔したのかい。あたしが読んであげようか。
半次郎 なあに、それには及ばねえ。用は大抵知れている。
おぬい でも、変な人が置いて行った手紙だもの、気になるから見せておくれ。兄さんが持っていたって、何と書いてあるか判りやしまい。
半次郎 お袋はどこへ行った。
おぬい おッかさんは帝釈様へ。もう帰ってくる時分だよ。兄さん今の手紙をお出しよ。
半次郎 お前なんか見るものじゃねえ。
おぬい お出しというのに兄さん。