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Japanische Klassiker mit Furigana

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まぶたのはは

長谷川伸傑作選 瞼の母

長谷川 伸

Lesen Sie 長谷川伸傑作選 瞼の母 (まぶたのはは) von 長谷川 伸 (はせがわしん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 94.753 Zeichen · 192 Bildschirme

Aozora Bunko

お蔦   へええ。一文なしで何処まで行くの。

茂兵衛 一先ず江戸へさ。

お蔦  ここから千住までだって八里あるよ。第一、そこの川を渡るったって、十六文銭がいるんだ、それを一文なしでどうするんだい。

茂兵衛 どうにかなるだろう。

弥八  一文なしと聞いちゃ、可哀そうで殴れもしねえ。

お蔦  可哀そうだって、あたしあ又、一文なしと聞いて、落胆したというかと思った。

弥八  厭なことばかりいう阿魔だ。

お蔦  前世では敵同士だったかも知れないね。

弥八  家の親分が惚れてなきゃ。とッくの昔に腕の一本ぐらいヘシ折ってある阿魔だ――何だってこんな阿魔ちょの、どこが好いんだ。

お蔦  そういって親分に聞いてごらん、何て返事するか。

弥八  知らねえ勝手に喋舌れ。(行きがけの駄賃に茂兵衛に向い)野郎。(蹴倒す)ヘッ、大飯食いの癖に弱え奴だ。

茂兵衛 (よろよろと倒れて)待て。(起きあがり)よいしょッ。(弥八の胸下に頭搗きをくれる)

弥八  あッ。(引ッ繰り返り、慌てて起きかけ、へたへたとなる)

茂兵衛 (力なくよろめき、辛くも踏止まったが、へたへたと坐る)

弥八  この取り的め。ああ痛え。