Japanische Klassiker mit Furigana
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かのように
阿部一族・舞姫
Lesen Sie 阿部一族・舞姫 (かのように) von Mori Ōgai (森 鴎外) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 69.875 Zeichen · 141 Bildschirme
それを庭に卸して穿く。がたがたいう音を聞き附けて婆あさんが出て来た。
「お外套は。」
「すぐ帰るからいらん。」
石田は鍛冶町を西へ真直に鳥町まで出た。そこに此間名刺を置いて歩いたとき見て置いた鳥屋がある。そこで牝鶏を一羽買って、伏籠を職人に注文して貰うように頼んだ。鳥は羽の色の真白な、むくむくと太ったのを見立てて買った。跡から持たせておこすということである。石田は代を払って帰った。
牝鶏を持て来た。虎吉は鳥屋を厩の方へ連れて行って何か話し込んでいる。石田は雌雄を一しょに放して、雄鶏が片々の羽をひろげて、雌の周囲を半圏状に歩いて挑むのを見ている。雌はとかく逃げよう逃げようとしているのである。
間もなく、まだ外は明るいのに、鳥は不安の様子をして来た。その内、台所の土間の隅に棚のあるのを見附けて、それへ飛び上がろうとする。塒を捜すのである。石田は別当に、「鳥を寝かすようにして遣れ」と云って居間に這入った。
翌日からは夜明に鶏が鳴く。石田は愉快だと思った。ところが午後引けて帰って見ると、牝鶏が二羽になっている。婆あさんに問えば、別当が自分のを一羽いっしょに飼わせて貰いたいと云ったということである。