Japanische Klassiker mit Furigana
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かのように
阿部一族・舞姫
Lesen Sie 阿部一族・舞姫 (かのように) von Mori Ōgai (森 鴎外) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 69.875 Zeichen · 141 Bildschirme
年寄に骨を折らせるのが気の毒だと、旦那が云うからと云ったそうである。婆あさんは存外素直に聞いて帰ることになった。石田はまだ月の半ばであるのに、一箇月分の給料を遣った。
夕方になって、口入の上さんは出直して、目見えの女中を連れて来た。二十五六位の髪の薄い女で、お辞儀をしながら、横目で石田の顔を見る。襦袢の袖にしている水浅葱のめりんすが、一寸位袖口から覗いている。
石田は翌日島村を口入屋へ遣って、下女を取り替えることを言い付けさせた。今度は十六ばかりの小柄で目のくりくりしたのが来た。気性もはきはきしているらしい。これが石田の気に入った。
二三日置いてみて、石田はこれに極めた。比那古のもので、春というのだそうだ。男のような肥後詞を遣って、動作も活溌である。肌に琥珀色の沢があって、筋肉が締まっている。石田は精悍な奴だと思った。
しかし困る事には、いつも茶の竪縞の単物を着ているが、膝の処には二所ばかりつぎが当っている。それで給仕をする。汗臭い。
「着物はそれしか無いのか。」
「ありまっせん。」
平気で微笑を帯びて答える。石田は三枚持っている浴帷子を一枚遣った。