Japanische Klassiker mit Furigana
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かのように
阿部一族・舞姫
Lesen Sie 阿部一族・舞姫 (かのように) von Mori Ōgai (森 鴎外) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 69.875 Zeichen · 141 Bildschirme
何一つ悪くないことのない子である。石田は窮して、なんにも悪くはない。女中は一人で好いと云った。
石田は達見に往って、第二の下女の傭聘を頼んだ。お上さんは狆をいじりながら、石田の話を聞いて、にやりにやり笑っている。そしてこう云うのである。
「あんたさん、立派なお妾でも置きなさればええにな。」
「馬鹿な事を言っちゃいかん。」
とにかく頼むと言い置いて、石田は帰った。しかし第二の下女はなかなか来ない。石田はとうとう若い下女一人を使っていることになった。
三四日立った。七月三十一日になった。朝起きて顔を洗いに出ると、春が雛の孵えたのを知らせた。石田は急いで顔を洗って台所へ出て見た。白い牝鶏の羽の間から、黄いろい雛の頭が覘いているのである。
商人が勘定を取りに来る日なので、旦那が帰ってから払うと云えと、言い置いて役所へ出た。午になって帰ってみると、待っているものもある。石田はノオトブックにペンで書き留めて、片端から払った。
晩になってから、石田は勘定を当ってみた。小倉に来てから、始て纏まった一月間の費用を調べることが出来るのである。春を呼んで、米はどうなっているかと問うてみると、丁度米櫃が虚になって、跡は明日持って来るのだと云う。