Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
かのように
阿部一族・舞姫
Lesen Sie 阿部一族・舞姫 (かのように) von Mori Ōgai (森 鴎外) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 69.875 Zeichen · 141 Bildschirme
伊織は、丁度妊娠して臨月になっているるんを江戸に残して、明和八年四月に京都へ立った。
伊織は京都でその年の夏を無事に勤めたが、秋風の立ち初める頃、或る日寺町通の刀剣商の店で、質流れだと云う好い古刀を見出した。兼て好い刀が一腰欲しいと心掛けていたので、それを買いたく思ったが、代金百五十両と云うのが、伊織の身に取っては容易ならぬ大金であった。
伊織は万一の時の用心に、いつも百両の金を胴巻に入れて体に附けていた。それを出すのは惜しくはない。しかし跡五十両の才覚が出来ない。そこで百五十両は高くはないと思いながら、商人にいろいろ説いて、とうとう百三十両までに負けて貰うことにして、買い取る約束をした。三十両は借財をする積なのである。
伊織が金を借りた人は相番の下島甚右衛門と云うものである。平生親しくはせぬが、工面の好いと云うことを聞いていた。そこでこの下島に三十両借りて刀を手に入れ、拵えを直しに遣った。
そのうち刀が出来て来たので、伊織はひどく嬉しく思って、あたかも好し八月十五夜に、親しい友達柳原小兵衛等二三人を招いて、刀の披露旁馳走をした。友達は皆刀を褒めた。