Japanische Klassiker mit Furigana
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かのように
阿部一族・舞姫
Lesen Sie 阿部一族・舞姫 (かのように) von Mori Ōgai (森 鴎外) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 69.875 Zeichen · 141 Bildschirme
」
「そんな事はない。」
「そんならどう思う。」
「どうも思わずにいる。」
「思わずにいられるか。」
「そうさね。まるで思わない事もない。しかしなるたけ思わないようにしている。極めずに置く。画をかくには極めなくても好いからね。」
「そんなら君が仮に僕の地位に立って、歴史を書かなくてはならないとなったら、どうする。」
「僕は歴史を書かなくてはならないような地位には立たない。御免を蒙る。」綾小路の顔からは微笑の影がいつか消えて、平気な、殆ど不愛想な表情になっている。
秀麿は気抜けがしたように、両手を力なく垂れて、こん度は自分が寂しく微笑んだ。「そうだね。てんでに自分の職業を遣って、そんな問題はそっとして置くのだろう。僕は職業の選びようが悪かった。ぼんやりして遣ったり、嘘を衝いてやれば造做はないが、正直に、真面目に遣ろうとすると、八方塞がりになる職業を、僕は不幸にして選んだのだ。」
綾小路の目は一刹那鋼鉄の様に光った。「八方塞がりになったら、突貫して行く積りで、なぜ遣らない。」
秀麿は又目の縁を赤くした。そして殆ど大人の前に出た子供のような口吻で、声低く云った。「所詮父と妥協して遣る望はあるまいかね。