Japanische Klassiker mit Furigana
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かのように
阿部一族・舞姫
Lesen Sie 阿部一族・舞姫 (かのように) von Mori Ōgai (森 鴎外) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 69.875 Zeichen · 141 Bildschirme
それにどうして鼠頭魚を知っているかと云うと、それには因縁がある。私の大学にいた頃から心安くした男で、今は某会社の頭取になっているのが、この女の檀那で、この女の妹までこの男の世話になって、高等女学校にはいっている。そこで年来その男と親くしている私を、鼠頭魚は親類のように思っているのである。
私は二階に上がって、隅の方にあった、主のない座布団を占領した。戸は悉く明け放ってある。国技館の電燈がまばゆいように半空に赫いている。
座敷を見渡すに、同郷人とは云いながら、見識った顔は少い。貴族的な風采の旧藩主の家令と、大男の畑少将とが目に附いた。その傍に藩主の立てた塾の舎監をしている、三枝と云う若い文学士がいた。私は三枝と顔を見合せたので会釈をした。
すると三枝が立って私の傍に来て、欄干に倚って墨田川を見卸しつつ、私に話し掛けた。
「随分暑いねえ。この川の二階を、こんなに明け放していて、この位なのだからね」
「そうさ。好く日和が続くことだと思うよ。僕なんぞは内にいるよりか、ここにこうしている方が、どんなに楽だか知れないが、それでも僕は人中が嫌だから、久しくこうしていたくはないね。