Japanische Klassiker mit Furigana
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かのように
阿部一族・舞姫
Lesen Sie 阿部一族・舞姫 (かのように) von Mori Ōgai (森 鴎外) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 69.875 Zeichen · 141 Bildschirme
両歩兵の隊長が出張の用意をさせていると、軍監府から出張の命令が届いた。すぐに出張して見ると、水兵は別にこれと云う廉立(かどだ)った暴行をしてはいない。しかし神社仏閣(ぶっかく)に不遠慮に立ち入る。人家に上がり込む。女子を捉(とら)えて揶揄(からか)う。開港場でない堺の町人は、外国人に慣れぬので、驚き懼(おそ)れて逃げ迷い、戸を閉じて家に籠るものが多い。両隊長は諭(さと)して舟へ返そうと思ったが通弁がいない。手真似で帰れと云っても、一人も聴かない。そこで隊長が陣所へ引き立ていと命じた。兵卒が手近にいた水兵を捉えて縄を掛けようとした。水兵は波止場をさして逃げ出した。中の一人が、町家の戸口に立て掛けてあった隊旗を奪って駆けて往った。
両隊長は兵卒を率いて追い掛けた。脚(あし)の長い、駆歩(かけあし)に慣れたフランス人にはなかなか及ばない。水兵はもう端艇に乗り移ろうとする。この頃土佐の歩兵隊には鳶(とび)の者が附いていて、市中の廻番をするにも、それを四五人ずつ連れて行くことにしてあった。隊旗を持つのもこの鳶の者の役で、その中に旗持梅吉と云う鳶頭がいた。江戸で火事があって出掛けるのに、早足の馬の跡を一間とは後(おく)れぬという駆歩の達者である。