Japanische Klassiker mit Furigana
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かのように
阿部一族・舞姫
Lesen Sie 阿部一族・舞姫 (かのように) von Mori Ōgai (森 鴎外) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 69.875 Zeichen · 141 Bildschirme
地面には荒筵(あらむしろ)二枚の上に、新しい畳二枚を裏がえしに敷き、それを白木綿で覆(おお)い、更に毛氈(もうせん)一枚を襲(かさ)ねてある。傍に毛氈が畳んだままに積み上げてあるのは、一人々々取り替えるためであろう。入口の側に卓(つくえ)があって、大小が幾組も載せてある。近づいて見れば、長堀の邸(やしき)で取り上げられた大小である。
人々は切腹の場所を出て、序(ついで)に宝珠院(ほうじゅいん)の墓穴も見て置こうと、揃って出掛けた。ここには二列に穴が掘ってある。穴の前には高さ六尺余の大瓶(おおがめ)が並べてある。しかもそれには一々名が書いて貼(は)ってある。それを読んで行くうちに、横田が土居に言った。
「君と僕とは生前にも寝食を倶(とも)にしていたが、見れば瓶(かめ)も並べてある。死んでからも隣同士話が出来そうじゃ」と云った。
土居は忽ち身を跳(おど)らせて瓶の中に這入って叫んだ。
「横田君々々々。なかなか好い工合じゃ」
竹内が云った。
「気の早い男じゃ。そう急がんでも、じきに人が入れてくれる。早く出て来い」
土居は瓶から出ようとするが、這入る時とは違って、瓶の縁は高し、内面はすべるので、なかなか出られない。