Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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あなんとじゅじゅつしのむすめ

阿難と呪術師の娘

岡本 かの子

Lesen Sie 阿難と呪術師の娘 (あなんとじゅじゅつしのむすめ) von 岡本 かの子 (おかもとかのこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 28.425 Zeichen · 58 Bildschirme

Aozora Bunko

阿難よ。勇気を出すが宜い。心弱くては生命に到り難いぞ。

阿難 ――師よ、懺悔いたします。どうぞお宥し下さい。お宥し下さい。どうぞ、どうぞ、わたくしの罪を……。

娘 ――尊き世尊よ。阿難さまは息も絶え絶えとなって居られます。どう致しましょうか。どう致したら宜しゅう御座いましょうか。

釈尊 ――娘よ、騒ぐには及ばぬ。阿難は今、罪より生命を産む陣痛に在るのだ。産に必要なのは、時間とそして共に苦しむ人である。阿難の為に必要な時間は、これを日天に任せる。阿難と共に苦しむ人は、すなわち茲に在る。娘よ、落付いてわしの身体を見るが宜い。

娘 ――おお! 金色の御肌より血の汗が! 血の汗が!

釈尊 ――阿難よ。お前は先ず、地水火風の仮合から出来た肉の耳を捨てるが宜い。小ざかしき智慧才覚で、好しの悪のと聴き分くる心の耳を捨てるが宜い。聞く事を更に聞き知り、響きの響きを悟らせる、その源の耳に還ってわしのいう事を今よく聴け。阿難よ。お前は今悔て居る。息の根も絶え絶えに悔て居る。然しその悔は何処から来たのか。どうして来たのか。

阿難よ。悔は罪より来た。罪はそれをそうさせる理由のものがある。