Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
いんじゅう
陰獣
江戸川 乱歩
Lesen Sie 陰獣 (いんじゅう) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 66.968 Zeichen · 131 Bildschirme
様な事実を聞出そうと骨折っていたにも拘らず、春泥は如何なる魔法を心得ていたのであるか、杳として其行衛が分らないのであった。彼一人なれば兎も角、足手纏いの妻君と二人づれで、彼はどこにどうして隠れていたのであるか。彼は果して、糸崎検事が想像した様に、密航を企て、遠く海外に逃げ去ってしまったものであろうか。
それにしても、不思議なのは、六郎氏変死以来例の脅迫状がぱったり来なくなってしまったことであった。春泥は、警察の探索が怖くなって、当の目的であった静子の殺害を思い止まり、ただ身を隠すことに汲々としていたのであろうか。いや、いや、彼の様な男に、その位のことが予め分らなかった筈はない。とすると、彼は今も尚東京のどこかに潜伏していて、じっと静子殺害の機会を窺っているのではなかろうか。
象潟警察署長は、部下の刑事に命じて、嘗つて私がした様に、春泥の最後の住居であった上野桜木町三十二番地附近を調べさせたが、流石は専門家である、その刑事は苦心の末、春泥の引越荷物を運搬した運送店を発見して(それは同じ上野でもずっと隔った黒門町辺の小さな運送店であったが)それからそれへと彼の引越先を追って行った。