Japanische Klassiker mit Furigana
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かげろうざ
陽炎座
泉 鏡花
Lesen Sie 陽炎座 (かげろうざ) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 33.381 Zeichen · 67 Bildschirme
「へーい、ちっとも知らなかった。」
「私もさ……今ね、内の出窓の前に、お隣家の女房さんが立って、通の方を見てしくしく泣いていなさるから、どうしたんですって聞いたんです。可哀相に……お稲ちゃんのお葬式が出る所だって、他家の娘でも最惜くってしようがないって云うんでしょう。――そう云えば成程何だわね、この節じゃ多日姿を見なかったわね、よくお前さん、それ、あの娘が通ると云うと、箸をカチリと置いて出窓から、お覗きだっけがね。」
苦笑いで、春狐子。
「余計な事を言いなさんな、……しかし惜いね、ちょっとないぜ、ここいらには、あのくらいな一枚絵は。」
「うっかり下町にだってあるもんですか。」
「などと云うがね、お前もお長屋月並だ。……生きてるうちは、そうまでは讃めない奴さ、顔がちっと強すぎる、何のってな。」
「ええ、それは廂髪でお茶の水へ通ってた時ですわ。もう去年の春から、娘になって、島田に結ってからといったら、……そりゃ、くいつきたいようだったの。
髮のいい事なんて、もっとも盛も盛だけれども。」
「幾歳だ。」
「十九……明けてですよ。」
「ああ、」と思わず煙管を落した。
「勿論、お婿さんは知らずらしいね。