Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

かげろうざ

陽炎座

泉 鏡花

Lesen Sie 陽炎座 (かげろうざ) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 33.381 Zeichen · 67 Bildschirme

Aozora Bunko

」

と乙女椿に頬摺りして、鼻紙に据えて立つ……

実はそれさえ身に染みた。

床の間にも残ったが、と見ると、莟の堅いのと、幽に開いた二輪のみ。

「ちょっと、お待ち。」

「何、」と襖に手を掛ける。

「でも、少し気になるよ、肝心、焦れ死をされた、法学士の方は、別に聞いた沙汰なしかい。」

「先方でもね、お稲ちゃんがその容体だってのを聞いて、それはそれは気の毒がってね――法学士さんというのが、その若い奥さんに、真になって言ったんだって――お前は二度目だ。後妻だと思ってくれ。お稲さんとは、確に結婚したつもりだって――」

春狐はふと黙ってそれには答えず……

「ああ、その椿は、成りたけ川へ。」

「流しましょうね、ちょっと拝んで、」

と二階を下りる、……その一輪の朱鷺色さえ、消えた娘の面影に立った。

が、幻ならず、最も目に刻んで忘れないのは、あの、夕暮を、門に立って、恍惚空を視めた、およそ宇宙の極まる所は、艶やかに且つ黒きその一点の秘密であろうと思う、お稲の双の瞳であった。

同じその瞳である。同じその面影である。……

――お稲です――

と云って、振向いた時の、舞台の顔は、あまつさえ、凝えたにせよ、向って姿見の真蒼なと云う行燈があろうではないか。