Japanische Klassiker mit Furigana
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かげろうざ
陽炎座
泉 鏡花
Lesen Sie 陽炎座 (かげろうざ) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 33.381 Zeichen · 67 Bildschirme
」
と云った。
その間も、縁台に掛けたり、立ったり、若い紳士は気が気ではなさそうであった。
「おい、もう帰ろうよ、暗くなった。」
雲にも、人にも、松崎は胸が轟く。
「待ってて下さい。」
と見返りもしないで、
「見ますよ、見るけれどもね、ちょっと聞かして下さいな。ね、いい児だから。」
「だって、言ったって、芝居だって、同一なんですもの、見ていらっしゃい。」
「急ぐから、先へ聞きたいの、ええ、不可い。」
お稲は黙って頭を掉る。
「まあ、強情だわねえ。」
「強情ではござりませぬ。」
と思いがけず幕の中から、皺がれた声を掛けた。美しい女は瞳を注いだ、松崎は衝と踏台を離れて立った。――その声は見越入道が絶句した時、――紅蓮大紅蓮とつけて教えた、目に見えぬものと同一であった。
「役者は役をしますのじゃ。何も知りませぬ。貴女がお急ぎであらばの、衣裳をお返し申すが可い。」
と半ば舞台に指揮をする。
「いいえ、羽織なんか、どうでも可いの、ただ私、気になるんです。役者が知らないなら、誰でも構いません。差支えなかったら聞かして下さい。一体ここはどこなんです。」
「六道の辻の小屋がけ芝居じゃ。