Japanische Klassiker mit Furigana
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かげろうざ
陽炎座
泉 鏡花
Lesen Sie 陽炎座 (かげろうざ) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 33.381 Zeichen · 67 Bildschirme
死なれなければ、死んだ気になって、お念仏を唱えていれば可いんです。
力が、男に足りないで、殺させた女を前妻だ、と一人極めにして、その上に、新妻を後妻になれ、後妻にする、後妻の気でおれ、といけ洒亜々々として、髪を光らしながら、鰌髭の生えた口で言うのは何事でしょうね。」
「いよいよ発狂だ、人の前で見っともない。」
紳士は肩で息をした、その手は松崎に縋っている。……
「ええ、人の前で、見っともないと云って、ここには幾多居ます。指を折って数えるほどもない。夫が私を後妻にしたのは、大勢の前、世間の前、何千人、何万人の前だか知れません。
夫も夫、お稲さんの恋を破った。そこにおいでの他人も他人、皆、女の仇です。
幕の中の人、お聞きなさい。
二度添にされた後妻はね……それから夫の言に、わざと喜んで従いました。
涙を流して同情して、いっそ、後妻と云うんなら、お稲さんの妹分になって、お稲さんにあやかりましょう。そのうまれ代わりになりましょう、と云って、表向きつてを求めて、お稲さんの実家に行って、そして私を――その後妻を――兄さんの妹分にして下さい、と言ったんです。
そこに居る他人は、涙を流して喜びました。