Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
かげろうざ
陽炎座
泉 鏡花
Lesen Sie 陽炎座 (かげろうざ) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 33.381 Zeichen · 67 Bildschirme
吉野、高橋、清川、槙葉。寝物語や、美濃、近江。ここにあわれを留めたのは屋号にされた遊女達。……ちょっと柳が一本あれば滅びた白昼の廓に斉しい。が、夜寒の代に焼尽して、塚のしるしの小松もあらず……荒寥として砂に人なき光景は、祭礼の夜に地震して、土の下に埋れた町の、壁の肉も、柱の血も、そのまま一落の白髑髏と化し果てたる趣あり。
絶壁の躑躅と見たは、崩れた壁に、ずたずたの襁褓のみ、猿曵が猿に着せるのであろう。
生命の搦む桟橋から、危く傾いた二階の廊下に、日も見ず、背後むきに鼠の布子の背を曲げた首の色の蒼い男を、フト一人見附けたが、軒に掛けた蜘蛛の囲の、ブトリと膨れた蜘蛛の腹より、人間は痩せていた。
ここに照る月、輝く日は、兀げた金銀の雲に乗った、土御門家一流易道、と真赤に目立った看板の路地から糶出した、そればかり。
空を見るさえ覗くよう、軒行燈の白いにつけ、両側の屋根は薄暗い。
この春の日向の道さえ、寂びれた町の形さえ、行燈に似て、しかもその白けた明に映る……
表に、御泊りとかいた字の、その影法師のように、町幅の真ただ中とも思う処に、曳棄てたらしい荷車が一台、屋台を乗せてガタリとある。