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Japanische Klassiker mit Furigana

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おんぼうぼり

隠亡堀

国枝 史郎

Lesen Sie 隠亡堀 (おんぼうぼり) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 4.455 Zeichen · 10 Bildschirme

Aozora Bunko

バラリと菰を刎ね退けた。

お岩の死骸が其処にあった。

肉が大方落ちていた。眉間が割れて血が出ていた。片眼が瘤のように膨れ上がっていた。

と、死骸が物を言った。

「民谷の血筋……伊藤喜兵衛が……根葉を枯らして……この身の恨み……」

伊右衛門は高尚に反問した。

「ははあ、白は夫れだけで?」

お岩の片眼が大きくなった。

三

「もう是で三回目だ」

伊右衛門は却って気の毒そうに言った。「実際幽霊というような物も、一回目あたりは恐ろしいよ。二回目となると稀薄になる。三回も出られると笑い度くなる。お岩さん不量見は止めたがいい。四回も出ると張り仆すぜ。五回出ようものなら見世物にする。……」

クルリと板戸を翻えした。

一杯に水藻を冠っていた。

「俺には大概見当が付く、水藻を取ると其下に、小平の死骸があるだろう。生前間男の濡衣を着せ、――世間へ見せしめ、二人の死骸、戸板へ打ち付け、水葬礼――ふん、そいつにしたんだからなあ。だって小平が宜くねえからよ。主人の病気を癒すは可いが、俺の印籠を盗むは悪い」

ダラダラと水藻を払い落とした。

果たして小平の死骸があった。

死骸はカッと眼を剥いた。