Japanische Klassiker mit Furigana
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すずめがもりのかいい
雀が森の怪異
田中 貢太郎
Lesen Sie 雀が森の怪異 (すずめがもりのかいい) von 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 6.614 Zeichen · 14 Bildschirme
その日神中が銀行へ往ったところで、他の銀行員は平生になく神中に嘲の眼を向けた。神中はどうしたことだろうと思っていると、知人が出て来て、
「君、○○○○新聞を見たのか」と、云った。苦しい中にもそればかりはとっている○○○○新聞は、配達が遅いのでその日の新聞はまだ見ていなかった。
「僕の方は配達が遅いからね」
「そうか、君、たいへんなことが出ているのだ」
知人はそう云って己の机の上から一葉の新聞を持って来た。
「けしからんことを書いてある、君を中傷したものだ」
神中は恐る恐るその新聞に眼をやった。それは二段抜の初号標題で畜生道におちた兄妹としたものであった。神中の頭はわくわくとした。神中はくいつくようにしてその記事に眼をやった。それは己等兄妹を傷つけた憎むべき記事であった。神中は眼前が暗くなった。
「僕は君を知っておる、けしからん記事じゃ、君、告訴したまえ」
神中の耳にはもう知人の詞は入らなかった。神中は夢中になって銀行を出て己の家へかえった。惑乱している頭にも妹のことが気になったからであった。
家へ帰って見ると妹は機屋の天井にしごきをかけて縊死していた。神中はその死体を座敷へ運んで床をとって寝かし、己もその室で縊死した。