Japanische Klassiker mit Furigana
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すずめがもりのかいい
雀が森の怪異
田中 貢太郎
Lesen Sie 雀が森の怪異 (すずめがもりのかいい) von 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 6.614 Zeichen · 14 Bildschirme
路は白くぼうとなっていた。右側の畑地の中に斑に建った農家は寝しずまって、ちょっとした明りも見えなかった。左側は秧を植えたばかりの水田になって、その水は黒い中にどろどろしたぬめりを見せていた。そこからは一面に蛙の声が聞こえていた。彼はその路を往って丁字路になった路の往きづめの林の入口についた。それが雀が森の林であった。
その晩に限って奥底のはかられないような気のする暗い気もちの悪い林の奥に、小さな蛍のような燈が一つほっかりと光っていた。それは平生見かける枯れ葉のたまった水のない石の御手洗の傍らにある石燈籠の燈であった。
(こんな処へ呼んでどうするつもりだろう)
神中が己に対して悪い考えを持っているとは思わないが、それでも明るい考えを持っているとは思えなかった。
(もう来ているだろうか、この試験さいちゅうに)
彼は神中が試験にいそがしいことを知っていて、己かってな処へ呼ぶのが腹だたしくなって来た。腹だたしくなって来ると気が張って彼の足は自然と進んだ。
(一人だろうか)
石燈籠はすぐであった。散歩の時など横の縁側に腰をかけたことのある古いそぎ葺の社はその奥にあった。