Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
かりさかごえ
雁坂越
幸田 露伴
Lesen Sie 雁坂越 (かりさかごえ) von 幸田 露伴 (こうだろはん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 14.263 Zeichen · 28 Bildschirme
たけれども、とさもさも自分がおいらによく思われていでもするように云うのだもの、憎くって憎くってなりあしなかった。それもいいけれど、何ぞというと食い潰しって云われるなあ腹が立つよ。過日長六爺に聞いたら、おいらの山を何町歩とか叔父さんが預かって持っているはずだっていうんだもの、それじゃあおいらは食潰しの事は有りあしないじゃあないか。家の用だって随分たんとしているのに、口穢く云われるのが真実に厭だよ。おまえの母さんはおいらが甲府へ逃げてしまって奉公しようというのを止めてくれたけれども、真実に余所へ出て奉公した方がいくらいいか知れやしない。ああ家に居たくない、居たくない。」
と云いながら、雲は無いがなんとなく不透明な白みを持っている柔和な青い色の天を、じーっと眺め詰めた。お浪もこの夙く父母を失った不幸の児が酷い叔母に窘められる談を前々から聞いて知っている上に、しかも今のような話を聞いたのでいささか涙ぐんで茫然として、何も無い地の上に眼を注いで身動もしないでいた。陽気な陽気な時節ではあるがちょっとの間はしーんと静になって、庭の隅の柘榴の樹の周りに大きな熊蜂がぶーんと羽音をさせているのが耳に立った。