Japanische Klassiker mit Furigana
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めすについて
雌に就いて
Lesen Sie 雌に就いて (めすについて) von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 4.994 Zeichen · 11 Bildschirme
午後の二時に東京駅で待っているよ、と言うと、また、ええとうなずく。それだけの約束だね。」
「待て、待て。それは、なんだい。女流作家かね?」
「いや、女流作家はだめだ。僕は女流作家には評判が悪いのだ、どうもねえ。少し生活に疲れた女画家。お金持の女の画かきがあるようじゃないか。」
「同じことさ。」
「そうかね。それじゃ、やっぱり芸者ということになるかねえ。とにかく、男におどろかなくなっている女ならいいわけだ。」
「その旅行の前にも関係があるのかね?」
「あるような、ないような。よしんば、あったとしても、記憶が夢みたいに、おぼつかない。一年に、三度より多くは逢わない。」
「旅は、どこにするか。」
「東京から、二三時間で行けるところだね。山の温泉がいい。」
「あまりはしゃぐなよ。女は、まだ東京駅にさえ来ていない。」
「そのまえの日に、うそのような約束をして、まさかと思いながら、それでもひょっとしたらというような、たよりない気持で、東京駅へ行ってみる。来ていない。それじゃ、ひとりで旅行しようと思って、それでも、最後の五分まで、待ってみる。」
「荷物は?」
「小型のトランクひとつ。