Japanische Klassiker mit Furigana
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ざっき(に)
雑記(Ⅱ)
寺田 寅彦
Lesen Sie 雑記(Ⅱ) (ざっき(に)) von 寺田 寅彦 (てらだとらひこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 6.640 Zeichen · 14 Bildschirme
もうおしまいという合図らしい。
船首の技手は筒の掃除をする。若い親方はプログラムを畳む。見物は思い思いに散って行った。散った跡の河岸に誰かが焚きすてた焚火の灰がわずかに燻って、ゆるやかな南の風に靡いていた。
いちばん大きな筒から打上げる花火は、いちばん面白いものでなければならない、という理窟はどこからも出て来ない訳であった。それでも、なんだか少し欺されたような気がしたのは、存外自分ばかりではないだろうと思った。
そして、自分はこれまでに、これとよく似た幻滅を感じさせられた色々の場合を想い起しながら、またあてもなく、祝日の人通りに賑わう銀座の方へ歩いて行った。
二 ボーイ
A町を横に入った狭い小路に一軒の小さな洋食店があった。たった一部屋限りの食堂は、せいぜい十畳くらいで、そこに並べてある小さな食卓の数も、六つか七つくらいに過ぎなかった。しかし部屋が割合に気持のいい部屋で、すべてが清楚な感じを与えた。のみならず、そこで食わせる料理も、味が軽くて、分量があまり多くなくて、自分の鈍い胃には比較的に工合がいいので、何かの機会にそこで食事をする事も稀ではなかった。