Japanische Klassiker mit Furigana
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エス・オー・エス・ボーイ
難船小僧
夢野 久作
Lesen Sie 難船小僧 (エス・オー・エス・ボーイ) von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 21.169 Zeichen · 43 Bildschirme
やッと探し出したんです」
船長はやっと吃驚したらしく首を縮めた。無言のまま六尺豊かの長身をニューとこっちへ向けて紅茶を受取った。
「ウウ……機関長か……アリガト……」
とプッスリ云った。コンナ時にニンガリともしないのがこの渋紙船長の特徴なんだ。取付きの悪い事なら日本一だろう。こんな男には何でも構わない。殴られたらなぐり返す覚悟でポンポン云ってしまった方が、早わかりするものだ。
「……昨夜、陸上で妙な話を聞いて来たんですがね。今度お雇いになったあの伊那一郎って小僧ですね。あの小僧は有名な難船小僧っていう曰く附きの代物だって、皆、云ってますぜ」
俺はそう云いさしてチョックラ船長の顔色を窺ってみたが、何の反応も無い。相も変らず茶色の謎語像みたいにプッスリしている。無愛相の標本だ。
「あの小僧が乗組んだ船はキット沈むんだそうです。I・INAって聞くと毛唐の高級船員なんか慄え上るんだそうです。乗ったら最後どんな船でも沈めるってんでね。……だから今度はこのアラスカ丸が危えってんで、大変な評判ですがね。陸上の方では……」
これだけ云っても船長の渋紙面は依然として渋紙面である。