Japanische Klassiker mit Furigana
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エス・オー・エス・ボーイ
難船小僧
夢野 久作
Lesen Sie 難船小僧 (エス・オー・エス・ボーイ) von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 21.169 Zeichen · 43 Bildschirme
料理部屋の背面なんです。あすこの石炭の山の上にエムプレス・チャイナの青い金モール服を着たまんま半腐りの骸骨になって寝ていたんです。イガ栗頭の恰好があいつに違いないんですが」
「骸骨……?……」
「ええ。あそこは鉄管がゴチャゴチャしていてステキに暑いもんですから腐りが早かったんでしょう。白い歯を一パイに剥き出してね。蛆一匹居なかったんですが……随分臭かったんですよ」
俺は黙って鉄梯子を昇って、中甲板の水夫部屋に来た。入口に掴まって仁王立ちになったまま大声で怒鳴った。
「おおい。兼公居るかア。出歯の兼公……生首の兼公は居ねえかア……」
「おおおオ――……」
と隅ッコの暗い寝台棚から、寝ぼけたらしい声がした。
「誰だあ……」
「おれだあ……」
「おお。地獄の親方さんか。これあどうも……」
「済まねえが一寸、顔を貸してくれい」
「ウワアア。とうとう見付かったかね」
「シッ……」
と眼顔で制しながら兼公を水夫食堂へ誘い込んだ。天井の綱にブラ下りながら兼に金口煙草を一本呉れた。兼はしきりに頭を掻いた。
「どうも横浜じゃ、警察が怖わーがしたからね。つい秘密にしちゃったんで……」
「石炭運びの途中で殺ったんか」