Japanische Klassiker mit Furigana
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あめをふらすはなし
雨を降らす話
中谷 宇吉郎
Lesen Sie 雨を降らす話 (あめをふらすはなし) von 中谷 宇吉郎 (なかやうきちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 12.519 Zeichen · 25 Bildschirme
化学者ではあるが、いろいろな方面に興味をもった人で、この頃はすっかり気象学者になっている。シェファー博士は、まだ四十歳にもなっていないくらいであろう。極めて簡単な装置を使って、非常に面白い実験を次ぎ次ぎとやる点で、アメリカの学者仲間でも、評判になっている人である。
シェファー博士が、最初に氷晶を作った実験というのは、極めて簡単なことである。家庭用の旧式な電気冷蔵箱に、上蓋式のものがある。二尺に三尺くらいの四角な箱で、その底に冷却管が配置してあって、それに上蓋がついているだけのものである。冷凍装置を働かせながら、上蓋をまくっておく。すると冷たい空気が箱の中におどんだ状態になる。底に近い空気は、零下三十度近くまで冷え、上部は室内にあいているので、常温近い空気になっている。上が暖かいのであるから、冷蔵箱内の空気はこのまま安定な状態になって、おどんでいるわけである。
そういう冷たい空気の中に、息を吐き込むと、息は白い湯気のようになる。寒い冬の朝、外に立って息を吐くと、息が白く見える。あれと全く同じことである。この湯気は、零下三十度くらいまでも過冷却した微水滴のままでいて、氷の粒にはなっていない。