Japanische Klassiker mit Furigana
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あめしょうしょう
雨瀟瀟・雪解 他七篇
永井 荷風
Lesen Sie 雨瀟瀟・雪解 他七篇 (あめしょうしょう) von 永井 荷風 (ながいかふう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 145.414 Zeichen · 289 Bildschirme
時に先生はまだ遠山様のお屋敷からはお帰りがないと見えますな。」
国貞は歩いて来た暑さに頻と団扇を使い初める。立ちかけた種員は再び腰なる煙草入を取出しながら、「五渡亭先生も御存じで御座いましょう。手前と相弟子の彼の笠亭仙果がお供を致しまして御屋敷へ上っておりますから、私は今の中一走り御様子を見て参ろうかと思っていた処で御座ります。もう追付お帰りとは存じますが何となく気がかりでなりませぬ。」
「いかにも不断から師匠思いのお前さん故さぞ御心配の事だろうと重々お察し申します。私なぞは申さば柳亭翁とは一身同体。今日此頃では五渡亭国貞といえば世間へも少しは顔の売れた浮世絵師。それというも実を申せば『田舎源氏』の絵をかき出してからの事ゆえ、万が一お咎めの筋でもあるようなら私は所詮逃れぬ処だと、とうから覚悟はきめていますが、お互にどうかまアそんな事にはなりたくないもの。」と国貞は声を沈まして、忘れもせぬ文化三年の春の頃、その師歌川豊国が『絵本太閤記』の挿絵の事よりして喜多川歌麿と同じく入牢に及ぼうとした当時の恐しいはなしをし出した。すると鶴屋の主人もついついその話につり込まれて六、七年前に大酒で身を損ねた先代の親爺から度々聞かされた話だといって、これは寛政御改革のみぎり山東庵京伝が黄表紙御法度の御触を破ったため五十日の手鎖