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Japanische Klassiker mit Furigana

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あめしょうしょう

雨瀟瀟・雪解 他七篇

永井 荷風

Lesen Sie 雨瀟瀟・雪解 他七篇 (あめしょうしょう) von 永井 荷風 (ながいかふう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 145.414 Zeichen · 289 Bildschirme

Aozora Bunko

にしめた女の姿、年の頃はまだ二十ばかりと思われた。

「お園か。」とやさしく種彦は机の上に肱をついたまま此方を顧み、「おッつけもう子刻だろうに階下ではまだ寝ぬのかえ。」

「はい。ただ今御新造様ももうお休みになるからと表の戸閉りをなすっていらっしゃいます。」と女は漆塗の蓋をした大きな湯呑と象牙の箸を添えた菓子皿とを種彦の身近に薦めて、前挿の簪の落掛るのをさし直しながら、「お煙草盆のお火はよろしゅう御ざりますか。」

「いや結構だ。何や彼やとよく気をつけてくれるから家のものも大助りだ。お園やお前さんも一ツ摘みなさい。廓にいて贅沢をした御前方には珍しくもあるまいが、この頃は諸事御倹約の世の中、衣類から食物まで無益な手数をかけたものは一切御禁止というきびしいお触だから、この都鳥の落雁も当分は食納になるかも知れぬ。今の中遠慮なく食べて置くがよいぞ。」

「はい。ありがとう御座ります。先ほど階下で御新造様から沢山頂戴いたしました。時に旦那さま、そう申せばこの頃は何とやら大層世間が騒々しいそうで御座りますが、此方様に私見たようなものがおりまして万一の事でもありましたらと、それがもう心配でなりません。