Japanische Klassiker mit Furigana
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あめしょうしょう
雨瀟瀟・雪解 他七篇
永井 荷風
Lesen Sie 雨瀟瀟・雪解 他七篇 (あめしょうしょう) von 永井 荷風 (ながいかふう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 145.414 Zeichen · 289 Bildschirme
ヨウさんがその趣味とその富とによって衰滅せんとする江戸の古曲を保護しようという計画には異議のあろうはずがない。また小半の腕前もその年齢に似ず望を嘱するに足るべき事はわたしもとくに認めていたので、その通り思う処を述べるとヨウさんは徐に一盞を傾けつつ事の次第を話した。
「何ぼ何でもこの年になって色気で芸者は買えません。芸でも仕込んで楽しむより仕様がない。あなたの前だから遠慮なく気を吐きますが僕はこう見えてもこれでなかなか道徳家のつもりです。今の世の中の紳士や富豪は大嫌です。富豪も嫌いなら社会主義者も感心しません。真面目な事を言ったって用いらるべき世の中じゃありませんから、わたしはむしろそれをいい事にして毎晩こうして遊んでいるんですが……まアそんな事はどうでもいいとして……わたしが芸者に芸を仕込んで見ようなぞと柄にもない事を思い付いたのはいささか訳があります。茶碗や色紙に万金を擲つのも道楽だ。芸者に芸を仕込むのも道楽にかわりはありますまい。
わたしはこれまで随分大勢の人を世話しました。真面目に世話をしましたがその結果は要するに時勢の非なるを悟るに過ぎません。