Japanische Klassiker mit Furigana
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あめしょうしょう
雨瀟瀟・雪解 他七篇
永井 荷風
Lesen Sie 雨瀟瀟・雪解 他七篇 (あめしょうしょう) von 永井 荷風 (ながいかふう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 145.414 Zeichen · 289 Bildschirme
わたしはその時新曲の執筆に際して竹婦人が玉菊追善水調子「ちぎれちぎれの雲見れば」あるいはまた蘭洲追善浮瀬の「傘持つほどはなけれども三ツ四ツ濡るる」というような凄艶なる章句に富んだものを書きたいと冀った。既にその前年一度医者より病の不治なる事を告げられてからわたしは唯自分だけの心やりとして死ぬまでにどうかして小説は西鶴美文は也有に似たものを一、二篇なりと書いて見たいと思っていたのである。『鶉衣』に収拾せられた也有の文は既に蜀山人の嘆賞措かざりし処今更後人の推賞を俟つに及ばぬものであるが、わたしは反復朗読するごとに案を拍ってこの文こそ日本の文明滅びざるかぎり日本の言語に漢字の用あるかぎり千年の後といえども必ず日本文の模範となるべきものとなすのである。その故は何かというに『鶉衣』の思想文章ほど複雑にして蘊蓄深く典故によるもの多きはない。それにもかかわらず読過其調の清明流暢なる実にわが古今の文学中その類例を見ざるもの。和漢古典のあらゆる文辞は『鶉衣』を織成す緯となり元禄以後の俗体はその経をなしこれを彩るに也有一家の文藻と独自の奇才とを以てす。渾成完璧の語ここに至るを得て始て許さるべきものであろう。