Japanische Klassiker mit Furigana
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あめしょうしょう
雨瀟瀟・雪解 他七篇
永井 荷風
Lesen Sie 雨瀟瀟・雪解 他七篇 (あめしょうしょう) von 永井 荷風 (ながいかふう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 145.414 Zeichen · 289 Bildschirme
田島さん、ねえ、田島さん。」と後からつづいて手水場へと降りて来た兼太郎にも勤めたので、二人はそのまま長火鉢の側へ坐った。
かみさんとお照はかき餅と甘栗をぼりぼりやりながら酌をする。兼太郎はいつになく酔払って、
「お照、お前がおいらの娘でなくって、もしかこれが色女だったら生命も何もいらないな。昔だったら丹さんという役廻りだぜ。ははははは。」
「丹さんて何のこと。」
「丹さんは唐琴屋の丹次郎さ。わからねえのか。今時の娘はだから野暮で仕様がねえ。おかみさんに聞いて御覧。おかみさんは知らなくってどうするものか。」
「あら、わたしも知りませんよ。御酒の好きな人の事を丹次郎ッていうんですか。アアわかりましたよ。赤くなるからそれで丹印だっていう洒落なんですね。」
「こいつは恐れ入った。ははははは。恐入谷の鬼子母神か、はははは。」
「のん気ねえ。ほんとにお父さんは。」
「酒は飲んでも飲まいでもさ。いざ鎌倉という時はだろう、ははははは。しかし大分今夜は酔ったようだな。」
「お酒のむ人は徳ねえ。苦労も何も忘れてしまうんだから。」
「だから昔から酒は憂の玉箒というじゃないか。酒なくて何のおのれが桜かなだろう。