Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ゆき

雪

楠田 匡介

Lesen Sie 雪 (ゆき) von 楠田 匡介 (くすだきょうすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 24.792 Zeichen · 50 Bildschirme

Aozora Bunko

捜査側では、容疑者として、その時分、当家にいた男達三人を訊問した。

常、それから久三の遠い親類で雇人である、あさの二老女は、寝室は現場からは離れていたし、その時分は、起きもしなかった事が証明されたので、埒外に置かれ三人の男達、五十嵐、伊東、望月の訊問が続けられると、この三人は相前後して、当時厠に起きたと申し立て来た。

五十嵐と、伊東は同じ室に寝ていて伊東は「五十嵐さんの帰って来る音で目を覚した」といっているし、一方五十嵐は、「伊東は自分の起きて行く前から、目を覚していた」と証言している。

望月は望月で「自分の起きた時、書庫にまだ灯がついていて、帰って床に入ると、幽かな人の話し声と、重いドアの閉まる音がした」と申し立てている。その重いドアというのは、とりもなおさず書庫の扉の事で、誰かに嫌疑をかけようとしているらしい事が、うかがわれる。その点を検事が追究すると、

「その足音は男か女か分らないが、一人は太い声の男だった」

と証言した。

太い声の男……それは潮風にかれた伊東の声で五十嵐は、むしろ女に近い程、甲高い声であったし、被害者の早川は、ボソボソした声である。