Japanische Klassiker mit Furigana
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ゆきちゃん
雪ちゃん
寺田 寅彦
Lesen Sie 雪ちゃん (ゆきちゃん) von 寺田 寅彦 (てらだとらひこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 2.434 Zeichen · 5 Bildschirme
、御使いから帰って来るのに会う時御辞儀をして自分を見て微笑する顔の淋しさなどを考え、この児には何処にか病気でも潜んでいるではないかと云う気がしていた。亡妹に似ていると云うのがますますこの感じを深くしたのであろう。それにもかかわらず雪ちゃんは壮健で至って元気のよい子であった。利ちゃんが何かいたずらでもした時に叱りつける声はどうしてこの細いかよわい咽から出るのかと思うようで、何か御使いでも云いつけらるると飛鳥のように飛んで出て疾風のごとく帰って来る。こう云う性質のためであるか、雪ちゃんの友達は多く自分より年下の男の子であった。隣家に同年輩の娘子供はずいぶんないでもなかったのにこれらとはとにかく遊ばなかった。何故だろうと考えてみた事もあった。隣は多く小官吏であったのである。
ある日の事、昼の休みに帰って来て二階へ上がろうとした時、階段に凭れてうつふしになっていた。「ドーシタノ。」聞いたが返事がなかったからそのまま駆上がると主婦が昼飯を持って上がって来た。雪ちゃんもついて来て入り口の柱へもたれて浮かぬ顔でボンヤリしている。眼のふちが少し赤い。ちょうど机の上に昨夕買って来た『新声』