Japanische Klassiker mit Furigana
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ゆきのシベリア
雪のシベリア
黒島 伝治
Lesen Sie 雪のシベリア (ゆきのシベリア) von 黒島 伝治 (くろしまでんじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 9.276 Zeichen · 19 Bildschirme
彼は、逃げて行く軍医を、うしろからねらって、轟然と拳銃を放った。ねらいはそれて、弾丸は二重になった窓硝子を打ち抜いた。
彼は、シベリアにいることを希望するだろうと誰れしも思っていた。
「一年や二年、シベリアに長くいようがいまいが、長い一生から見りゃ、同じこっちゃないか。――大したこっちゃないじゃないか!」
彼は、皆の前でのんきそうなことを云っていた。
だが、軍医と上等看護長とは、帰還者を決定する際、イの一番に、屋島の名を書き加えていた。――つまり、銃剣を振りまわしたり、拳銃を放ったりする者を置いていては、あぶなくて厄介だからだ。
自分からシベリアへ志願をして来た福田という男があった。福田は露西亜語が少し出来た。シベリアへ露西亜語の練習をするつもりで志願して来たのであった。一種の図太さがあって、露西亜人を相手に話しだすと、仕事のことなどそっちのけにして、二時間でも三時間でも話しこんだ。露西亜語が相当に出来るようになってから内地へ帰りたいというのが彼の希望だった。
けれども、福田も、帰還者名簿中に、チャンと書きこまれていた。
そういう例は、まだ/\他にもあった。