Japanische Klassiker mit Furigana
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ゆきのよる
雪の夜
小林 多喜二
Lesen Sie 雪の夜 (ゆきのよる) von 小林 多喜二 (こばやしたきじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 14.967 Zeichen · 31 Bildschirme
その前に、十二、三の薄汚い女の子がちょっと前に泣いたらしいそのままのしかめた顔をして立っていた。
「この子は!」年増はバチで子供の肩をついた。「さあ、今度は唄うねえ、いいかい。――可愛いねえ……」そう言って、女は三味線の箱にさわる手首をちょっとつばでしめすと、しゃちこばった手つきで三味線をジランジランとならした。「さあ!」女の子をうながした。そしてア――ア――とすっかりかすれた声で出しをつけてやった。
女の子は両手を袖の中にひっこめたまま、だまっていた。
「また!」年増はさも歯をかんでいるように言った。
女の子は本能的になぐられる時のように頭に手をあげた。
「まあ、この子!」年増はいきなり女の子の背を撥でついた。女の子は足駄をころばすと、よろよろして、見ていた人の足元にのめった。
年増は「ええ、どうも、この子にァ、ハア困るんです。へえ、こんなようじゃ二人とも干上りですよ。へへへへへ、どう――して、こんな子を持ったのやら、へえ……」と、頭を時々さげて、立っている人の方を見ながら言った。「こうやってるんですけど、今晩は一文にもならないんですよ――この子が……」