Japanische Klassiker mit Furigana
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ゆきのよる
雪の夜
小林 多喜二
Lesen Sie 雪の夜 (ゆきのよる) von 小林 多喜二 (こばやしたきじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 14.967 Zeichen · 31 Bildschirme
両方とも少しだまった。と、女は顔をあげで、
「そんなこときいて何するの?」ときいた。そして、
「イヤ! 私いや!」と言って、頭を振った。
「ききたいんだ」
間。
「どうして?」
「どうしでもさ。金のためにか、すきでか……」
「私言わないもの……」女はきゅうに笑いだした。
「好きで入ったんだろう」彼はちょっと断定的な調子で言った。
「金だわ……でも、……」女は盃を火鉢のふちに置いた。
「でも、どうした?」
女は彼を今度は真正面から見つめて言った。「何をそんなに聞きたがるのさ。……私の家は貧乏だったの。弟妹がまだ四人もいるんだもの。それでさ。……でも、そうねえ、やはり、こうやって、白粉をつけたりしてみ――た――かったの、ねえ、そんなところもあったの」
そう言って、また独りで笑った。
「フン……そうかなあ。それから君らはこういう俺たちを憎いと思ったことはないか」
女はちょっと眼をみはった。
「どうして?」本当に分らないできいているようにそう言った。女は章魚を一つ箸にはさんで口にもっていった。それを口に入れながら、「どうして?」とまた言った。
「君たちの体を……金で……そうだろう?」