Japanische Klassiker mit Furigana
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ゆきのやどり
雪の宿り
神西 清
Lesen Sie 雪の宿り (ゆきのやどり) von 神西 清 (じんざいきよし) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 25.995 Zeichen · 51 Bildschirme
青侍どもはみな逃亡いたして姿を見せません。顫えながらも居残っておりました仕丁両三名を励ましつつ、お倉の中を検分にかかりますと、そこの山の隈かしこの山の陰から、ちょろちょろと小鼠のように逃げ走る人影がちらつきます。難民の小倅どもがまだ諦めきれずに金帛の類を求めているのでございましょう。……こうしてさしもの桃華文庫もあわれ儚く滅尽いたしたのでございます。残りましたお文櫃はそれでも百余合ほどございましたが、これは光明峰寺へ移し納め、わたくしもそれに附いてそちらへ引き移りました。わたくしは取るものも取敢えずその夜のうちに随心院へ参り、雑兵劫掠の顛末を深夜のことゆえお取次を以て言上いたしましたところ、太閤にはお声をあげて御痛哭あそばしました由、それを伺ってわたくしはしんから身を切られる思いを致したことでございました。光明峰寺へ移されましたお櫃の中には新玉集の御稿本は終に一帖も見当らなかったのでございます。
いやもう一つ、わたくしが気を失って倒れておりました間に、つい近所の町筋では無慚な出来事が起ったのでございました。翌日になって人から聞かされました事ゆえ、くわしいお話は致し兼ねますが、兼ねて下京を追出されておりました細川方の郎党衆、一条小川より東は今出川まで一条の大路に小屋を掛けて住居しておりましたのが、この桃花