Japanische Klassiker mit Furigana
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ゆきのひ
雪の日
近松 秋江
Lesen Sie 雪の日 (ゆきのひ) von 近松 秋江 (ちかまつしゅうこう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 8.365 Zeichen · 17 Bildschirme
と言って呼び留める。
私はギョッとして、こんな時、なまなか逃げたり走ったりするのはよくないと思ったから、じっと立ち止って、『何か御用ですか』って落着いて、そう言った。落着いているようでも、こっちはもう一生懸命で、足がブルブルして動悸がして、何を言ったか自分の声が分らない。……そりゃ私、幼い時分からちょっとしたことにも吃驚する性質でしたから。……一遍十六七の時分に、お勝手をしていたら、内庭の米俵の蔭に、大きな蛙がいるのを知らずに踏み蹴って、私その時くらい吃驚したことはなかった。『キャッ』と言って飛び上って、胸がドキドキしていつまでも止まない、私あんまり吃驚させられて悔しかったから、いじいじして大きな火箸を持って行って、遠くの方から火箸の尖で打ってやった。さんざんぱら打ったらようやくのことで俵の奥の方に、ノソノソ逃げて入った。そうすると、夜になってあんなにひどく蛙を打った。怨んで出やしないだろうか、火箸で焼傷をして困っていやしないだろうか、枕の所にあの何とも言えない色をした蛙が来ているようで、私蒲団を頭からすっぽり被って明朝は早く起きて、米搗きの男を頼んで、積み俵を取り除けてもらってみよう。