Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ゆきのたけしとうげ

雪の武石峠

別所 梅之助

Lesen Sie 雪の武石峠 (ゆきのたけしとうげ) von 別所 梅之助 (べっしょうめのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 5.818 Zeichen · 12 Bildschirme

Aozora Bunko

かの光、われをさゝん日ほゝゑみて見ざりし国にうつりゆかまし

眼ざといM君がさす方に、深い雪の山、甲斐の白峰――北岳だそうだ。この国しらす峻嶺は、厳として群山の後にそびえているのだ。

車室のうちは大部すいた。私たちは寛いでこの大景に接していた。八ヶ岳をあとにして、諏訪湖に添いゆくころから、空はどんよりとして来た。白いものがちらちら落ちそめた。きけば隔日ぐらいに降るとの事、すこし気が沈む。天竜川の川べをゆけば、畑に桑の枝は束ねられ、田の面の薄氷れるに子どもはスケートをしている。藁鞋はいてゆく里人を車窓より見まもりゆくうちに鉢伏山右手に現れ、桔梗が原に落葉松寒げに立っていた。

松本で小さい馬車に乗りかえた私たちは、曇った空の下を浅間へ、十二時ごろ西石川の二階に通り、一風呂浴びて休むうちに雨、それが雪に変って、高原の寒さが身にこたえる。信州にはじめて入ったM君は、炬燵櫓の上に広盆しいて、焜炉のせての鳥鍋をめずらしがっていた。

一たび武石峠へ

雪もよいの空、それに元日のお雑煮おそく、十一時すぎにやっと宿を出た。一路ただ東へと。案内者は去年の雪の多かった事、腰まであって、あがきがとれず、美術学校の人の供をして、朝の十時に宿をたったが武石峠へいったら、とっぷり日がくれ、小屋に一泊したというような事など話す。