Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

くもとこもりうた

雲と子守歌

小川 未明

Lesen Sie 雲と子守歌 (くもとこもりうた) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 4.823 Zeichen · 10 Bildschirme

Aozora Bunko

「お母さん、ほんとうに、うたっておくれよ。」

子供は、母に、真実にうたってくれと訴えるのでした。驚き、気をとり直した母親は、

「ほんとうに、うたってあげますとも。知らぬまに眠って、わるかったですね。坊やの苦しいのからみれば、お母さんは、どんなことでも、我慢しなければなりません。」

母親は、真剣になって、子守歌をうたいはじめるのでした。母の愛から流れ出る、なつかしい、細いしらべは、光る絹糸のように、切れんとして、切れずに、つづくのでした。子供は、それを頼りに、しんしんたる遠い道を、ただひとり旅をするのでした。鳥の鳴く、林の中を歩くこともあったし、たちまち白い雲といっしょに、鬼ごっこをしていることもありました。そのときは、いつのまにか、自分は、紅い雲となっていたのです。

とつぜん、歌がやむと、糸がぷつりと切れて、からだは、真っ暗な穴の中へ落ち込むような気がしました。そして、ずきずきと痛み出しました。このとき、どこからともなく悪魔があらわれて、一所けんめいに逃げようとする自分を追いかけるのでした。

「こわいよう! お母さん。」と、子供は、火のつくように、叫びました。