Japanische Klassiker mit Furigana
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うんぜんだけ
雲仙岳
菊池 幽芳
Lesen Sie 雲仙岳 (うんぜんだけ) von 菊池 幽芳 (きくちゆうほう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 22.192 Zeichen · 43 Bildschirme
五月になると、裾野一帯はつつじで彩られ、秋になると、麓から真紅に染められて行くことを想像して見るがよい。四面山に囲まれて、全く塵境を離れた、処女の肌のように滑らかなこのリンクスの美くしさは、夕暮が近づいて、静けさが加わるほどますます発揮される。私達は飽かずリンクスの美を鑑賞した上、迎えの自動車で引返したが、夏の日の暮れるに遅く、まだ日足があるので、折柄の時雨空を冒し、稚児落の滝を見て帰るため、木場道をくだらせた。
木場道は雲仙から千々岩に下る道で、これも自動車を通ずるが、カーブが甚だしいのと道が狭くて急であるから、多く小浜道が選ばれるのだ。併しこの道は絹笠山と妙見の山脚の間を下るので、幾筋にも走っている小さな尾根を見下しながら。また谷間をS字形に縫っている真白な行手の自動車道を蒼翠の間に見出しながら、いつでも千々岩灘と千々岩松原を、両山脚の間に見て、一気呵成におりて行く趣きは、時々ひやひやさせられるが興味が深い。時雨がやんだり落ちたりしていたが、折柄の灰色雲を破って入日が漏れ、それがハレーションを起して、脚下の千々岩灘も空も一様に、ぎらぎらと輝き渡った海天一色の荘厳な光景は私達を魅了した。