Japanische Klassiker mit Furigana
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うんぜんだけ
雲仙岳
菊池 幽芳
Lesen Sie 雲仙岳 (うんぜんだけ) von 菊池 幽芳 (きくちゆうほう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 22.192 Zeichen · 43 Bildschirme
たところとなるべき素質を持っている。
私達は諏訪神社の森蔭で休息した上、諏訪池から帰ったが、その夕べ今度は千々岩灘の入日を見るべく絹笠山に上った。この山は大毎寄附の基金よりなる気象観測所のあるところで、温泉一帯の地に最も風致を添えている美しい山である。赤松に蔽われている笠を伏せたような形が、その趣きが、京都の金閣寺の背景である同じ呼び名の衣笠山によく似ている。高さは八六〇米の手ごろの山で、その山裾をめぐり、延長二里の逍遥道路が設けられている。私達はその山の展望岩のところへ来て日の入りを待った。ここの展望も雲仙の最も美しい景観の一つとして知らるるものである。
千々岩灘に対して立つ時、足下に深く落込んでいる渓谷は、絹笠の山脚と妙見の山脚が作る山領谷である。山領谷の尽くるところに富津の猿葉山が峙ち、その山裾である赤松の点々生えた、土佐絵のような弁天崎が湾に斗出している。妙見の長い山脚を越えて、千々岩岳、吾妻岳、九千部岳などが蒼茫として暮行く姿を見せ、右方有明海の彼岸には多良岳が美しい輪廓を描く。左の方に目を転ずると、早崎の瀬戸から天草灘へかけ、大小幾多の島々の影が海天一色の間に、次第に融け込んで行く。