Japanische Klassiker mit Furigana
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らいほうとうものがたり
雷峯塔物語
田中 貢太郎
Lesen Sie 雷峯塔物語 (らいほうとうものがたり) von 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 22.606 Zeichen · 45 Bildschirme
白娘子は笑声を出した。
「あれは婢に言いつけて、板壁を叩かしたのですよ、その音で捕卒がまごまごしてよりつかなかったから、その隙に逃げて、華蔵寺前の姨娘の家に隠れていたのです、あなたはちっとも、私のことなんか考えてくださらないで、あべこべに私を妖怪あつかいにするのですもの、でも私はあなたの疑いさえ解けるならいいのです、これで失礼いたします」
白娘子は小走りに走って外へ出ようとした。王主人の媽媽があわてて走って往って止めた。
「まあ、遠い処をいらしたのですから、二三日お休みになって、もっとお話しするがいいじゃありませんか」
白娘子は引返しそうにしなかった。小婢が傍から言った。
「奥さん、御親切にあんなに言ってくださいますから、もすこしお考えなすったら如何です」
白娘子は小婢の方を見た。
「でも、あの方は、もう私のことなんか、思ってくださらないのですもの」
王主人の媽媽は白娘子を放そうとしなかった。
「もうすっかり事情も判ったのですから、許宣さんだって、いつまでも判らないことは言わないですよ」
許宣はもう白娘子に対する疑念が解けていた。王主人の媽媽は、白娘子を許宣の室へ伴れて往った。