Japanische Klassiker mit Furigana
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でんぽう
電報
黒島 伝治
Lesen Sie 電報 (でんぽう) von 黒島 伝治 (くろしまでんじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 6.388 Zeichen · 13 Bildschirme
それにつづいて、下車客はそれぞれ自分の家へ帰りかけた。
「谷元は、皆な出来た云いよった。……」こういう坊っちゃんの声も聞えた。谷元というのは源作の姓である。
おきのは、走りよって、息子のことを、訊ねてみたかったが、醤油屋へ、良人の源作が労働に行っていたのを思い出して、なお卑下して、思い止まった。
停車場には、駅員の外、誰れもいなくなった。おきのは、悄々と、帰りかけた。彼女は、一番あとから、ぼつ/\行っている呉服屋の坊っちゃんに、息子のことを訊ねようと考えた。坊っちゃんは、兄の若旦那と、何事か――多分試験のことだろう――話しあって笑っていた。あの話がすんだら、近づいて訊ねよう、とおきのは心で考えた。うっかりして乗り越すようなあれじゃないが、……彼女は一方でこんなことも思った。
若旦那の方に向いて、しきりに話している坊っちゃんの顔に、彼女は注意を怠らなかった。そして、話が一寸中断したのを見計らって、急に近づいて、息子のことをきいた。
「谷元はまだ残っとると云いよった。」と、坊っちゃんは、彼女に答えた。
「試験はもうすんだんでござんしょうな。」
「はあ、僕等と一緒にすんだんじゃが、谷元はまだほかを受ける云いよった。